お悔やみ用の畳縁を使った“のし袋”の出番になった
北海道に住む従弟が63歳の誕生日の前日に急死したからだ
幼いころから兄貴分だった私としては 実の弟を亡くしたように悲しくて辛い出来事だ
遠方だから無理をしないでと従妹は言うのだが 最後の別れを告げたくて札幌に飛んだ
湘南で育って会社の転勤で北海道に行く時には「嫌だ嫌だ」と言っていたのに
いざ北海道から本社に戻れという辞令が出たら よほど札幌の水があったのか
会社を辞めてまで札幌に残った 寒いのは嫌いじゃ~なかったのかい?
火葬場で待つ間に 幼い従弟の孫たちは畳の上で遊んでいたが
その内 気持ち良さそうに 親の横で寝てしまった
俺たちも あんな頃から一緒に遊んで育ったんだよね 思い出が駆け巡る
外ではキタキツネがこっちを見ていた
奴は北海道に土になるのか それもまた人生 安らかに眠れや 合掌